弁護士による相続相談【弁護士法人心 立川法律事務所】

相続放棄後の財産処分に関するQ&A

  • 文責:所長 弁護士 福島晃太
  • 最終更新日:2025年1月10日

相続放棄後に財産を処分してもよいですか?

相続放棄後の財産処分は、亡くなった方の財産をすべて相続する意思を示したものとみなされ、相続放棄の意味がなくなってしまうことがあります。

このような意思を示すことを単純承認といいます。

どのような場合に相続の単純承認にあたるのですか?

相続人が相続財産の全部または一部の処分をしたときに単純承認となります。

また、相続放棄期間内に相続放棄をしなかったことも、単純承認とみなされますし、相続放棄後に相続財産の全部または一部を隠匿したり、私的に消費したり、悪意をもって財産目録に掲載しないことも単純承認事由となります(民法921条)。

財産の処分とは具体的にはどのような行為ですか?

例えば、亡くなった方の預貯金口座の解約や引き出し、不動産の解体や売却、高価な動産の引き取りなども財産の処分にあたります。

亡くなった方が賃貸物件にお住まいだった場合は、複数の解釈はありますが、賃貸物件の解約も形式的には財産の処分にあたりますので、注意が必要です。

相続放棄後、勝手な判断で財産処分はせず、弁護士に相談されることをおすすめします。

相続放棄をした後の財産は誰が管理してくれるのですか?

相続放棄をし、すべての相続人がいなくなった場合、相続財産は誰も管理してくれる人がいなくなってしまいます。

法律上は、相続財産法人が成立し、相続人の財産や債務はその法人に帰属することになりますが、構成員が誰もいない法人ですので、誰も管理する人がいなくなってしまうのが実態です。

相続放棄後に責任を負うことはありますか?

相続財産に不動産が含まれ、相続放棄をした後も、その不動産を占有している者がいる場合は、空き家の適切な管理をしなければならない努力義務を負っていますし、工作物の占有者は第三者に対する損害賠償義務も負っています。

そのため、相続放棄をした場合でも、占有者に該当すると、これらの責任を負う可能性があります。

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